2009年08月23日
ラーメン軍団の重厚つけ麺

ラーメン軍団というお店ができたという噂を聞いた時は、かなり興奮した。しかも激戦区の一乗寺。すぐ近くには天天有、新進亭、夢を語れがある。ただ、不定休ということだったので、当時他県で働いていた僕はなかなか行けずにいた。
一度、京都旅行のついでに寄ってみたのだが、残念ながら閉まっており、実際に同店のラーメンと対麺するのは後になってからだった(それでも開店された2007年からだったけど)。
今は京都に住んでいるので、サイトを通じてラーメンとの接し方について教えて下さった、ある意味で師匠的な存在のご主人のラーメンが楽しみでちょくちょくお邪魔している。僕は数ヶ月に1度くらいの客だが、開店された年から通っているので、同店のラーメンの味の変遷を知っているし、行くたびに密かに心の中で「石田さん、がんばれ」とエールを送っている。無表情だけど。
さて、それなりにラーメン軍団のことを知っていたつもりだったが、先日の昼に行ってぶたそばを食べていたら、後から入ってきた二人連れの一人がこんな注文をした。
「じゅうあつつけ麺」
一瞬箸が止まった。同店には「重厚つけ麺」というメニューがあるのだが、僕はいつも「じゅうこう」と注文していた。普通は「じゅうこう」だ。けれど食べ物屋さんの中には、ある漢字に世間の常識とは違う読み仮名をあてる店がある。もしかしてラーメン軍団もそうなのだろうか?もしそうなら、僕は今まで違う注文の仕方をしていたことになる。「ダセー。俺ダセー」とか思った。
ご主人は注文を聞いて「はーい」と応じられたので、僕はぶたそばのチャーシューをかじりながら「え?そうなの?そう読むの?」と内心焦っていた。それが2日前の話だ。
しかし今日、ラーメン軍団に行くと「じゅうこうつけ麺」と注文した客に対して、石田さんが「はい。じゅうこうつけ麺で」と応じていたので、僕は心の中で「ああ、やっぱりそうなんだ」と思いながら水を飲み、「ご注文はお決まりですか?」という問いに安心して「じゅうこうつけ麺」といえた。まあ「お客だった頃を忘れるな」を哲学とするご主人が、そんな妙ちくりんな読み方のメニューを作るわけがないのだ。
さて、重厚つけ麺は濃いダブルスープと太い麺がよく合う一品で、スープの中にはチャーシューと煮卵が入っている。濃く、深く、うまい。最後まで残さずいただいた。
割り汁はしてもらえないが、コッテリ味が好きな人は抵抗なく残ったスープを飲むことができるだろうと思う。ご馳走様でした。