北海ラーメン
北海ラーメン二条店に行った。
以前から気になっていたが今回が初めてである。友達夫婦が「塩ラーメンおいしいよ」とすすめてくれたのだ。
「たまには、あっさりもいいかな」と先輩のカクさんが北海ラーメンの看板を見上げながらいう。頑固なまでにこってり好きなこの人が、あっさり味のラーメン屋に足を運ぶのは珍しい。
定休日が分からなかったのでおそるおそる行ったのだが、店内の貼り紙を見ると月曜日とのこと。
僕は塩チャーシューメン(800円)、カクさんは普通の塩ラーメンを注文した。
出てきたラーメンを見て、「きれいだな」という感想を持つ。スープが透き通っている。基本カラーが白い具材と麺が、いかにも塩ラーメンという感じで期待させてくれる。
一口食べる。
おいしい。
やさしい。
「うん。うまい」とカクさんがボソッと言った。
無言で食べていると、カクさんが醤油を少しレンゲに垂らした。
まさか、と思っていたら案の定、塩ラーメンに醤油を入れてしまった。
「何やってんですか?」
「いや、醤油ラーメンにしてみようって」
またこの人は…。
「チャレンジ精神が旺盛で何よりです」
カクさんはズズズとラーメンをすすった。
「どうですか?」
「うん…」
数秒沈黙して、遠い目をしながら、溜め息をつく。
「塩ラーメンは、塩ラーメンとして食べるものだな」
カッコつけてるつもりなのだろうか。
「名言だろ」
「はっきりいって痛々しいです」
正直に述べた。ゆめゆめ塩ラーメンに醤油を入れることなかれ、である。
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