京つう

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2009年12月31日

我流の京都外伝

大晦日である。
そうだ、実家に帰ろう。そう思い立った。帰郷するのは丸一年ぶりである。丸一年。

一年経てば、故郷は大きく変わっているであろう。父母は年老いており、やんちゃ盛りだった妹や弟らは立派に成長し(丸刈りで玄関に出てきて、「兄上、お帰りなさいませ」というのだ)、子犬のタロ吉(芝犬)も成犬になっている。田んぼはコインパーキングになり、恩師の髪には白いものが目立つようになっていることであろう。そして、幼き日に将来を誓ったあの娘は健気にも僕を待ってくれているに違いない。ああ、故郷よ…。

しかしよく考えてみれば、父母は年齢の割には若く見えるし、体力の衰えを嘆く割にはよく食べる。どちらかといえば周りに面倒な雑用を任せるために、年齢という方便を駆使しそうなタイプである。

妹や弟はとっくに成長しており、僕が戻っても出迎えることなくコタツで尻をかきながらテレビを観ているだろう。

うちに犬なんざいない。猫ならいたが、死んだ。田んぼもない。人んちの田んぼを子供の頃、同級生に「ここうちの田んぼだから好きに使っていいよ」と自慢したことがあるのが、唯一の田んぼとの接点である。好きに使っていいよって、どう使えというのか。いやいやしかし、ガキというのはいつの時代も田んぼのクリエイティブな使用法を思い付くものだ。コンテストがあればいいのに。

故郷の恩師に髪はない。白髪があるだけもうけもんだ。それに懐かしくもない。できれば会いたくない。

そして、将来を誓ったあの娘はそんな20年以上も昔の約束なんぞ忘れて、今では2児の母であるらしい。らしいというのは、それもこれも5年ほど前に又聞きの又聞きで知ったからだ。実際に彼女と会ったのは15年ほど前だった気がする。顔も覚えていない。

ああ、故郷よ。そんなもんだ、故郷なんて。

戻りは高速バスである。電車がどうなっているかは知らないが、バスは快適だ。目だった渋滞はなく、僕の隣には誰も座っていない。荷物置き放題である。

途中のパーキングエリアで休憩も取ってくれる。僕の住んでいる部屋よりも遥かに立派なトイレがある。

缶コーヒーを買おうとしたが、なかなかいいのが見付からない。自動販売機はたくさんあるのに、目当てのコーヒーは売っていない。

ようやく伊藤園の自販でそこそこマシなやつを見付けてコインを投入するものの、100円を受け付けてくれない。

なぜ?

アサヒの自販は受け付けてくれたのに。

つーか、アサヒを捨ててまでお前のところに来たのだ伊藤園。我が100円を受け入れよ。

しばし攻防が続いたが、僕の負けである。惨敗。くそっ、自販の癖に。

100円を変えて、また入れる。

また拒否られる。

「ブッ殺すぞテメ」といってしまった。本当に久しぶりに。無機物には容赦しない。

選手交代を経てようやくゲットしたコーヒー。劇的微糖という名前だった。

これで劇的じゃなかったら、遠慮なく「燃えるゴミ」に入れてやろう。二度とリサイクルされない体にしてやるから覚悟しろ。

とか思いながら、今プルトップを開けるところである。  


Posted by Tamo at 18:28Comments(0)京都の日々

2009年12月23日

才と藤

阪急西院駅近くにある折鶴会館は、京都ではよく知られている飲みスポットである。
中でも有名な才というお店(焼き鳥、おでん、卵サラダ、マグロの中落ちがおいしい)と、その隣の藤というホルモン居酒屋(レバ刺とホソがたまらない)にはしばしばお邪魔している。才の大将と藤の女将はご夫婦である。お店の名前は、名字の才藤を一文字ずつ分けていらっしゃるとか。

写真は藤でホルモンを焼いている様子。
こんな風に、網の上で自分で焼くのだが、うまくいかない場合もある。そんな時は、女将がアシストしてくれる。僕は藤の女将にホルモンの焼き方を教えてもらった。それまでは我流でやっていたのだが、コツを伝授してもらってからはそこそこ上手に焼けるようになった。女将にはとても感謝している。
その藤が才と合併するということを、才の大将が教えてくれた。両店の間にある壁を取り壊し、大きなひとつのお店にするのだという。


「じゃあ、お店の名前は才藤にするんですか?」と尋ねると、才の大将は「いや、才で統一するんです」と教えてくれた。名前を変えたら色々と煩雑な手続きがあるが、才のままでいけば余計な手間が省けるのだという。なるほど。

藤の「自分で網で焼く」スタイルはなくなってしまうらしい。少し寂しいが、店の規模が大きくなれば、その分賑やかになるのだろう。

新しい才を楽しみにしたい。

  


Posted by Tamo at 18:45Comments(0)酒と肴

2009年12月09日

幸村定食

夷川丸太町にある洋食屋、グリルデミは少々変なオーダーをしても応えてくれる素晴らしいお店だ。

おいしいハンバーグがメインのお店だが、僕がひそかに「戦国武将シリーズ」と呼んでいる定食群がある。
以前、「秀吉定食」をこのブログで紹介した(それがきっかけだったのか、デミに「秀吉定食ってあるんですか」という問い合わせがあったそうだ。他に紹介した人がいないので、多分ここで発信した情報が同店の売上に貢献したのである。従って、マスターは僕に宣伝料を支払いなさい)。

そんな戦国定食シリーズに新たなるメニューが加わった(ムリを言って加えてもらった)。

真田幸村定食である。
真田家の家紋は六文銭(三途の川の渡し賃)なので、そういったデザインがハンバーグにほどこされている。赤ウィンナーなので、懐かしい味がする六文銭だ。

同店自慢のデミグラスソースがふんだんに使われていて、とてもおいしい。持ち帰りたいソースである。

マニアックな武将の定食を注文したら、どんなのが出てくるだろうか。  


Posted by Tamo at 21:29Comments(0)グルメ

2009年12月05日

今年のベスト

少し前に相国寺にて撮影。
自分の中では今年のベスト紅葉。

  


Posted by Tamo at 19:11Comments(0)京都散歩

2009年11月24日

風景写真

先日、四条大宮の立ち呑み居酒屋てらで、風景写真を撮影されているWさんとお会いした。


作品を入れたアルバムを拝見したが、どれもこれも素晴らしい写真で、僕は酔っ払いながらも美しい風景の数々に見入ってしまった。

シブさが漂う男性常連客であるOさんが、気に入った写真をどうぞと言われて2枚選んでいた。
一枚は写真というよりは絵を思わせる、圧倒的な紅葉の写真。もう一枚はこのブログに掲載した群青色が前面に出ている写真である。この深いジャパニーズ・ブルーの写真の虜になってしまい、僕は「写メに撮っていいですか」とお願いしてしまった。

実物はもっと色が深く美しかった。Oさんが羨ましい。
あまりにも僕がまじまじと写真を見つめるので、Oさんは「俺んだぞ、やらねーぞ」と自分のセンスを自慢していた。紅葉の方は職場のデスクに飾るのだそうだ。もう一枚の行方が気になるところである。

僕は素人考えで、てっきり風景写真は一日で撮影できるものだと思っていた。しかしWさんは良さそうなスポットを見つけると、シャッターを切っても良いと思うまさにその時までずっと待つのだそうだ。数週間もかける場合もあると聞き、僕は純粋に驚いてしまった。最近はめったに驚くことがないので、久々の感覚だった。そのような努力を経て、美しい写真ができるのである。それだけ時間をかけたものを、ほんの少しの時間で鑑賞するのがもったいない気がした。

Wさんの美しい写真は、「京の四季と美瑛の大地」というご自身のブログでも見ることができる。
http://wakamatsu3.exblog.jp/

ラーメンにもお詳しく、色々なお店の話をすることができた。居酒屋で知らない人と話すのが苦手な僕だが、とても楽しかった。  


Posted by Tamo at 15:46Comments(0)京都の日々

2009年11月11日

相国寺の紅葉


雨の相国寺。
葉っぱがなかなか良い色になっている。
もう少ししたら、もっと奇麗になるだろう。  


Posted by Tamo at 21:46Comments(0)京都散歩

2009年11月03日

カフェのラーメン

CAFE PROVERBS [15:17] は植物由来の食材だけを使用した料理しか提供しない、徹底的なこだわりを持ったお店である。

京都大学近くの百万遍交差点の西側を少しだけ北に行くと、すき家があり、その同じビルの3階で営業している(2階は焼肉屋さんなので、僕のような肉も野菜も両方大好きな人間にはなんともおいしい建物である)。

ここは色々なメニューを楽しめるが、中でも個人的に魅力を感じたのはラーメンである。
豆乳ラーメンだという。すごく健康的だ(写真は豆乳野菜ラーメン)。



野菜が本当にたくさん使用されていて、テンションが上がった。こういう時に「ふんだん」という言葉がピッタリ当てはまるのだ。

さぞアッサリしているのだろうと思いきや、とてもしっかりとした味でコクも深く、意表をつかれた。すごくおいしい。コッテリ好きな人も納得できるのではないだろうか。



豆乳味噌ラーメンも食べてみた。味噌が入っている分、味がリッチになっていて、これもおいしかった。唐揚げのように見えるのはソイミートといって、豆腐揚げのようなものだった。これは新鮮な味わいだった。

CAFE PROVERBS [15:17]の凄いところは、健康に配慮しつつも味に妥協がない点である。僕は知人に誘われて同店に行ったのだが、実際に食べるまで「アッサリしているのだろうな」という偏見があった。アッサリ味も好きだが、どちらかというとコッテリしたものを食べたい日が多いので、同店を出たら改めて何かを腹に入れに行こうというプランまで立てていたのである。けれども、本当に良い意味で裏切られた。CAFE PROVERBS [15:17]のラーメンは、自称ラーメン好きである僕を一口で虜にしてしまった。

店員さんに「ベジタリアンですか」と尋ねられて「残念ながら違います」と答えたら「そうですか。こういう料理もあるんだって知って頂けると嬉しいです」と言われた。僕は肉も野菜も大好きで、両方を極端なくらい食べる。しかし、同店は植物由来の食材のみで魚も使わないという徹底ぶりなので、てっきり「食の思想が合わないから嫌な顔をされるかな」と内心ビクビクしていたのだ。だからそんな風に普通に接してもらえてホッとした。

味と健康の二兎追いたい人にオススメのお店である。肉食を自認している人でも、満足できるのではないだろうか。


CAFE PROVERBS [15:17] のウェブサイト
http://www.proverbs1517.com/  


Posted by Tamo at 18:54Comments(0)ラーメン

2009年10月19日

ろうそく

週末は仕事で東京に行くはめになり、ようやく戻れた。
どうも向こうは苦手だ。



関東から戻ると、まっ先にに目につく京都的ランドマークはろうそくこと京都タワーである。
京都好きな人は、京都タワーを嫌うことが好きらしい。
そう、やつはすこぶる評判が悪い。別に悪いことはしていないのに。
僕の中でも、何か微妙な感じだ。

でも、京都に戻ってこのタワーを見ると、なんだかホッとするのである。  


Posted by Tamo at 22:04Comments(0)京都の日々

2009年10月11日

ダブルフィッシュ&チップス

昨日は何だかガッツリとフィッシュ&チップスを食べたい気分だったので、アンティシェンエに行った。
「フィッシュ&チップス2人前下さい」
と言ったら、マスターが「え?ダブルってこと?」と驚く。
そういえば、ここは1人前でもけっこうな量を出してくれるのだ。ただ、僕はお腹が空いていた。
「今までダブル頼んだ人おらんなぁ・・・」と言いながら、マスターは厨房へと向かった。

ギネスを飲みながら待つことしばし。
出てきたダブルフィッシュ&チップスは期待を裏切らない大きさだった。



あまりにも量が多かったので、他のお客さんもびっくりしていた。
「写真を撮っていいですか」という人もいた。

幸せな気分で食べた。量があるって素晴らしい。

「ラーメン日本一的なメニュー作って下さいよ」
というと、マスターが「やりたいなぁ」と言ってた。もしかしたら、何かすごいメニューを開発してくれるかもしれない。



  


Posted by Tamo at 20:13Comments(0)酒と肴

2009年10月10日

太七

千本鞍馬口の近くにある太七というラーメン屋さんは、気さくな女将が切り盛りしている家庭的なお店である。鶏がらベースのおいしいラーメンを食べることができる。昨日は久しぶりに行くことができた。


人気があるのは、きざみ肉ラーメンである。今回は大盛り(700円)を注文した。

太七には、かわいい看板猫のミイコがいたのだが、姿が見えないので女将に聞いてみた。

「ミイコ元気?」
すると「死んでもうてん。3月や」と言われた。
20歳だったという。長生きだ。
「大往生だ」というと「そうです。獣医さんも同じこと言わはってん。強い猫やいうて」



マイペースに散歩にでかける姿が微笑ましかった。
一時期、僕の携帯の待受画面はミイコだった。もう会えないのかと思うと寂しい。
僕はミイコのことを考えながらラーメンを食べた。  


Posted by Tamo at 00:56Comments(0)ラーメン

2009年10月06日

ちいふ

すき焼きラーメンという名前のラーメンが京都にはある。
押小路御池にある、ちいふというお店の看板メニューである。二条城の近くなので、分かりやすい。赤提灯が目印。今日は焼豚麺(800円)を注文した。

ここでは、生卵が一個無料で付く。それを小鉢の中に割り、特製のタレを好みに応じてたらし、よくまぜる。そして、それに麺や具を絡めて食べるというスタイルである。わざわざ「すき焼ラーメン」と注文せずとも、全てそのように食べれるのでご心配なく。

ラーメンはそのままだと、鶏がらベースのオーソドックスな醤油味である。スープは一見濃そうだが、あっさりしている。大学生の頃からちょくちょく寄っているお店だ。この素朴で飽きない味がいい。

よくメディアでも取り上げられる店で、以前オセロが司会をする番組にも出ていた。その回は変り種ラーメンが集まっており、店主がそれぞれ自分の一品をアピールして、ゲストの畑山則之に食べたいと思わせたラーメンが優勝という企画だった。

結局、イカ墨ラーメンに優勝を持って行かれたものの、ちいふの大将である高田さんは他の誰よりもテンションが高く、自己アピールにおける「畑山さ~んッ!」というはじけっぷりは文句なしの一位だった。

それはオセロや畑山を苦笑させ、コメントに困らせるほどであった・・・・・・。

高田さんは客が話をふると会話に乗ってくれる人ではあるが、穏やかでおっとりとした人という印象しかなかったので、僕にはそのはじけっぷりがとても意外だった。こんな一面があったのかと笑ってしまったのを覚えている。

今日行ったらずいぶんと物静かで、まったりとしたトーンで会話した。一度だけでもいいから、テンションの高い高田さんを生で見てみたいものだ。  


Posted by Tamo at 20:51Comments(0)ラーメン

2009年10月03日

散歩中に


朝の散歩は気持ちがいい。

そういえば、最近散歩をしているところを知人に目撃されることが多い。
先日も西院にある才という居酒屋で飲んでいたら、大将が声をかけてくれた。
「2~3週間ほど前に下鴨神社の付近歩いてなかった?」

はて、そうだったかいな。
記憶をたぐれば、確かに心当たりがある。
そうだ。しもがも坦々麺に限定メニューを食べに行った日だ。
ついでに神社を散歩したのだった。

「似とるなーと思いながら、遠かったし人違いかもしれんから声かけへんかったんやけど・・・」
聞けば大将は下鴨エリアにお住まいなのだそうだ。

下鴨から西院って、結構な通勤距離だなぁと思う。

というように、人から「あの時あそこにいたでしょ」といわれることが最近多い。
誰が見てるか分からない。色々と気をつけよう。  


Posted by Tamo at 19:39Comments(0)京都散歩

2009年10月02日

激辛マックス卵抜き

その夜、男の目は下鴨本通り沿いにあるひとつのバーを見据えていた。
バーというより、正確にはスコティッシュパブである。京都においてその名を轟かせるアンティシェンエに、実に個人的な任務を自らに課した男が入ろうとしていた。

作戦名ミッドナイト・スパイスと己の行動に適当な名をつけ、男はカウンター席に座った。

「何にしますか」というマスターの問いに、男は静かに答えた。

「ドライカレー」
「辛さは」
何年も前に約束されていたかのように、マスターが聞く。
男は間違えないよう、慎重に応じた。
「激辛マックス卵抜き」
一瞬の沈黙の後、「呪文をいってしまいましたね」とマスターがニヤリと笑った。

激辛マックス卵抜き。
アンティシェンエの超辛い物好きな常連さんがテイクアウトでオーダーするという一品である。この話を聞いた時、僕はそれよりも辛さが控えめのドライカレーを食べていたのだが(これもそれなりに辛かった)、そんなに辛いやつがあるのかと気になって仕方がなかった。

残念ながらドライカレーの写真はない。ただ、見た目は普通のドライカレーに鷹の爪が入っているだけといった感じだった。見た目に問題はない。むしろ、ありふれていて無害に見える。

問題は香りだ。
色々なスパイスをブレンドしたそれは、強烈な異国的芳香を漂わせている。辛いもの好きにはたまらないが、苦手ならそれは強力な武器となり、たちまちその人をKOするであろう。
「勝負ですね」と言いながらマスターがこちらをうかがった。

そう、勝負だ。
サムライは背を向けない。

一口食べる。

ンガッ!辛っ!!!!
写真はその時の心境を翌日である今日、後輩の泉(オス、メガネ、アニメ好き)に描かせたものである。たいていの辛さにはびくともしないこの僕が、すぐに認めてしまった。少しずつ汗が流れてきた。やがてそれは滝のようになっていく。

「なんなら、卵入れよか」とマスターが気遣ってくれたが、「いや、今日は勝負に来たので、あえて卵抜きで行きます」と返事をした。

一口、また一口、カレーは順調に減っていく。それに比例して汗の量が増え、口の中の感覚が鈍くなった。
「目がうつろですよ・・・」と隣の人に言われた。
そ、そんな心配はご無用。


どうにか半分まできた。マスターが醤油を少しだけ入れると甘味が出て、辛さが若干マイルドになると教えてくれたのでその通りにしてみると、あらホント。しかし、醤油作戦は少量だけで、再び勝負に戻った。ドライカレーを相手に命の取り合いをする。

半分ほど食べ終えたところで、近くの席にいる常連さんが「よければどうぞ」とお土産のお寿司を分けてくれた。

かたじけない。普通の米のありがたさ。
「今、砂漠でオアシスを見つけた気分でしょ」とマスターが人の気持ちを見透かしていうので、「もうお地蔵さんに見えます」とつい本音が出てしまった。

3分の2を食べ終える頃には、カレーはだいぶ冷めていたのだが、それでもフーフーしてしまう。口の感覚が熱いものを食べた時のようになっているので、ついそうしてしまうのだ。

しかし、僕はこの激辛ドライカレーを食破し、なんとか戦いに勝利した。
以前、アンティシェンエのドライカレーにおける最高度の辛さを食べた記録ホルダーは同店のメガネをかけた店員さんだという話を聞いた。「彼が食べたのに匹敵する辛さですよ」とマスターがいうので、「やった!」とガッツポーズを取ってしまった。
その店員さんが「@*#(スパイスの名前)入れた?」と聞くとマスターが「入れた入れた」と答えた。店員さんは「おー」と言っていたが、よほど辛いスパイスなのだろうか。

「ごちそうさまでしたー」と店を出る僕に、マスターが「お疲れ様でしたー」と声をかけてくれた。
「ここから帰るお客さんにお疲れ様でしたなんて、俺初めていうたわ」
僕も初めて言われた。

とにかく、ひとつの大きな戦いを終えた満足感を僕は味わっていた。
でも、夜中に食べるものじゃないな、コレ。

  


Posted by Tamo at 22:16Comments(0)グルメ

2009年09月30日

夢を語れ

一乗寺の老舗である天天有の隣にある夢を語れ(ゆめかた)のラーメンはボリューム満点だ。健康な成人男子でも時として手こずる場合がある。

最近は200グラムから400グラムまで麺の量を選べるというシステムになっている。その代わり、小さいサイズのラーメンがなくなった(もっとも、小さくても他のラーメン店より量が多かったが)。小豚ラーメンは重宝したのだが残念だ。ゆめかたの入り口に店のシステムを説明したダンボールがあり、そこには400グラムは15分で食べれる人のみがオーダーできると書かれてあった。

300グラムでも、15分以上かかる人もいるかもしれない。ハードルは高めだ。行列ができる店なので、他の客への配慮もあるのだろうが、もうちょっとゆとりがあっても良いのではと思う。
ゆとりといえば以前、知人が同店で食べていた時のエピソードを語ってくれたことがある。

「あの店けっこう量が多くて、しばらく食べてたらしんどくなったんだ。それで休み休み食べてたわけ。そうしたら店員にもう出てって言われた。ありゃひどいよ」

僕はそんな風に言われたことはないが、確かにゆめかたは色々な面で、客を店側の都合でコントロールする傾向が強いとは思っていた。比較的小さい店だし、狭い歩道に人が行列を作るし、客側が協力すべきところもあるのだが、それでもちょっとと感じてしまうところがある。400グラム15分も回転をよくするための策なのだろうが、何だか行列をさばこうという気持ちが前面に出過ぎて、例えば僕の知人に対する店員のひどい言葉になっているような気がした。

知人ほどひどい目にあってはいないが、僕はゆめかたで2回傘を取られたことがある。2回とも同店の傘立てに入れていた時だ。

1回目に取られた後、結局は自己責任なのだと思い、2回目は自分の席の近くに置いた。すると店員の男性に「傘立てに入れて下さい」と強く言われてしまった。いやな予感がしたが、仕方がないのでそうしたら、また取られてしまったのである。その時、ゆめかたは晴れの日しか行ってはいけないなと肝に銘じた。

僕はゆめかたのラーメンが好きだし、最近は以前と比べて接客が改善されたので(昼間しか知らないが)味以外の点の印象も良くなった。しかしもう少し気を遣ってくれてもいいのではないかと思うことがある。ゆっくりでもいいからもうちょっと頑張ってくれると、客としては嬉しい。
  


Posted by Tamo at 21:25Comments(0)ラーメン

2009年09月28日

ド根性餃子

堀川北山にあるラーメン日本一には、僕が勝手に「ド根性シリーズ」と呼んでいるメニューがある。
それには2つあり、ひとつはラーメン、もうひとつは餃子である。
写真はド根性餃子という特大サイズの餃子。


かなり食べごたえがあり、おいしい。  


Posted by Tamo at 22:14Comments(0)グルメ

2009年09月28日

Bye-Bye BOWMORE 1968

下鴨神社の近くにあるアンティシェンエというスコティッシュパブには実に様々なウィスキーが置いてある。とにかく驚くほど種類が豊富だ。試しに一杯注文すると、マスターがそのウィスキーにまつわる興味深い話を聞かせてくれる。それぞれのウィスキーにいきいきとした物語があることを、僕はこのパブで学んだ。

今日は運のいい日だった。近くの席で飲んでいた紳士と淑女が、珍しいウィスキーを次々と注文していたのだが、それぞれを少しだけ僕にも分けてくれたのである。どれもこれもウィスキー入門の僕にとり、とても贅沢なものだった。普段100円ショップの包丁を使用している人間が、背伸びをして菊一文字の包丁に手を出すようなものである。ちょっとだけウィスキーにすまない気持ちになった。

特にマスターが「これいいですよ」と出したのが、写真のボウモアだった。これはとても価値があるらしい。ちょうど一杯分しかなく、例の紳士淑女がオーダーした。ボトルはマスターの「ボトルコレクション」の仲間入りを果たした。そして「そんなに珍しい物ならぜひ写真に撮ろう」と思い撮ったのがこの写真である。マスターに「男前に撮ってあげてね」と言われて頑張った。中身は空っぽだが、一滴くらいは残っていたかもしれない。ラベルがかっこいい。

紳士淑女は僕にもボウモアを少し勧めてくれた。とても香りがよく、口の中で豊かな風味が広がり、飲んだ後の収まり具合もちょうど良かった。

ただ少し残念なことに、僕はボウモアをいただく前に同店の激辛ドライカレーを食べていたのである。アンティシェンエのドライカレーは辛さを選べるので、辛いもの好きの僕は「死んだ方がマシ的な辛さでお願いします」と注文した。実際出てきたカレーはかなり辛かった。もっと辛くても良かったけど、「おいしさが分かる辛さのボーダーライン的なところ」とマスターが言ったように、確かにそんなラインの辛さで、汗がすぐに出てきた。そしてとてもおいしかった。真ん中に乗った卵が素敵だった。

ちなみに、このカレーをしょっちゅう食べるお医者さんがいるらしく、その人は「激辛マックス卵抜き」と注文するらしい。それいいなあと思った。次はそう注文してみよう。でも卵が好きなので、これは抜くことができない。

もうひとつのアンティシェンエにまつわるトリビア。激辛カレーの最高度の辛さを食べた記録ホルダーは、同店のメガネをかけた店員さんである。ゆくゆくは僕もその辛さに挑戦するつもりだ。

とまあ、そんな辛いカレーを食べて口の中が少しマヒしている状態で、上等なウィスキーを僕は飲んだのであるが、振り返ると大変もったいないことをしたという反省しか浮かんでこない。おいしいのは分かった。これは本当である。けれども普通の状態の舌で味わいたかった。

それはさて置き、アンティシェンエで飲みながらマスターやウィスキーに詳しい人たちの話を聞いているうちに、ウィスキーについて深く知りたい欲求がむくむくと大きくなってきた。

やばい。虜になりつつある。

  


Posted by Tamo at 02:23Comments(0)酒と肴

2009年09月25日

金閣寺

金閣寺。
なかなか上手に撮れたと思う。


まあ正直な話、誰が撮ってもこんな感じになるのだが・・・。  


Posted by Tamo at 23:06Comments(0)京都のあれこれ

2009年09月23日

ハンバーグカレー

丸太町にあるハンバーグがおいしい洋食屋グリルデミは裏メニューもおいしい。

今日は晩御飯にハンバーグカレーを注文してみた。ハンバーグがデンと乗っかった、ちょっと辛めのカレーライスである。テンションがあがる。小学生の頃、お子様ランチを頼んだ時にこのような気分の高揚を感じた。ハンバーグカレーは大人の男が堂々と頼めるやんちゃなメニューだ。自分の中で「大人用お子様ランチ」と位置づけた(ディナーだけど)。


セットにしたので、サラダとスープが付いてきた。それから毎度投入する生卵もある。ボリュームたっぷりのカレー、ハンバーグをはじめとした贅沢な具材、大皿の隅にあるデミグラスソース。これで1000円ちょうどである。とても満足のいく一品だった。
  


Posted by Tamo at 00:14Comments(0)グルメ

2009年09月20日

アンティシェンエ

an tigh seinnse (アンティシェンエ)というスコティッシュパブの話を聞いたのは今年の1月、五条にあるシェリーバーKAOで飲んでいる時だった。フレンドリーな客たちと店員のMさんが、下鴨神社近くにある大人気の店のことを教えてくれたのだ。

「絶対好きになると思うよ」と一人の女性が言った。「お兄さん、なんかアンティ顔だし」

アンティ顔ってどんな顔だ?と思いながら、僕はそのスコティッシュパブが気になって仕方なかった。
それから、何度か入店を試みるべく様子を見に行ったものの、いつも満席状態であり、僕のささやかな試みは毎回失敗に終わった。

こういう人気店に潜り込むには開店直後を狙うのがセオリーである。1月にKAOで聞いた話では、5時には開いているとのことだった(そこで話した常連さんたちは、皆正確な開店時間を知らなかったのだ)。

最近読んだ『定番にしたい異国料理店』(小山晶之著)という、「今年の秋は読書も食欲も我慢したくない」って人にぴったりの一石二鳥的な本に、アンティシェンエは16時から26時まで(定休日は月曜)と書かれていたので、4時ちょうどに行ってみた。しかし、閉まっている。

「あれ?17時なのかな?」
一時間後、再び行ってみた。果たしてアンティシェンエは開いていた。カウンターにはすでに一人いた。

ところが入ろうとするとその人に「あ、すいません、もうちょっと遅くからなんですよ」と言われた。後でこの男性がマスターだと分かった。17時30分からだというので(今日はたまたま遅くなったらしい。マスターがだんじり祭りに行っていたからだ)、あちこちをブラブラ散歩して再度行ってみた。17時35分。カウンターにはすでに外国人の紳士がいた。

ギネスとフィッシュ&チップスを注文する。出てきたフィッシュ&チップスを見て、魚の大きさと全体的な量にテンションが上がる。

「大きいでしょ」とマスターが誇らしげに言うだけのことはある。

写真を撮ってもいいか尋ねると「どうぞ。上手に撮ってね」という返事。気さくな人である。
「味付け薄いんで、お好みで塩とビネガーをかけて下さい」


ビネガーをドバドバかけた。うまい。幸せ。

カウンターの一番奥の席に座った僕の前には、大きな合鴨ロースがあり、誘惑してくる。ウィスキーと一緒にいただく。合鴨はウキウキするほどデカイ。マッシュポテトとマスタードが一緒についてきた。

「マスタードいっぱいつけて下さい」
大きめに鴨を切って、マスタードをたっぷりつけて食べる。
「じゃあ、この塊を一気に食べちゃいます」
「うわっ、贅沢やな」
「一回これくらいをいっぺんに頬張りたかったんですよ」
バクッといく。鴨のうまみが広がった。口の中はもはや鴨川である。
「大きいのを出してるのは、ナイフを入れた時に鴨の油がジュワッと出るからなんです。その油が美味しいんですよ」
ハンバーグの肉汁みたいに出てきた油はマッシュポテトにつけると美味しいと言われた。一口食べて本当にうまかったので、僕はせっせと油を出してマッシュポテトにふりかけた。

「裏技的な食べ方なんですけど」と前置きして、マスターがさらなる美味しい食べ方を伝授してくれた。
ウィスキーをほんのちょっと(指につけて落とすよりも気持ち多め)鴨の油にたらし、その中に肉をつけて食べるやり方だ。目から鱗の技である。そんな楽しみ方もあるのか。

料理に夢中になっていると、マスターが酒に関する面白い話を始めた。原始的な酒の形態、昔の酒のアルコール度数、錬金術と酒の関係、などなど。僕より先に来ていた外国人の常連さん(宗教社会学者らしい)と3人での会話が面白くなってしまい、サザエさんのエンディングテーマが終わったら帰るつもりだったが何だか中座するのがもったいなくなってしまった。結局追加で2杯注文して(ギネスとマッカラン)9時まで楽しく贅沢に過ごした。

マスターは物知りで話が面白いし、酒とフードはうまいし、壁には吉田君(鹿の頭)が飾られているし、マッコリや焼酎もある。なるほど、1月に言われた通りだ。これは好きにならない方がおかしい。
  


Posted by Tamo at 22:42Comments(6)酒と肴

2009年09月18日

ちょこん

京都某所にて。



目が合うと小走りで寄ってきて、ちょこんと座った。
野良猫のわりには人懐っこい猫だった。  


Posted by Tamo at 22:30Comments(0)京都散歩