京つう

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2011年08月20日

カレー漬け

まず、男がいた。そしてパブとマスター、そして従者のNなんかがいた。

男はパブのカウンター席に腰掛け、ギネスとカレー中華を注文した。カレー中華といえば、当たり前のように「汁あり?汁なし?」と質問されるのが、アンティシェンエという「パブ」なのだ。

いやいや、そういえば、カレー中華は伝統的なパブ料理だった。そんな認識で間違いなかろう。

汁なしカレー中華。昼間、従者のNがまかないで食べ、おかわりをしたというカレーと同じルウを使っている。それが、それだけでも充分うまい麺にかかっていた。



控えめなピリ辛、上品なコクとうまさ、丁度良い柔らかさのチキンや野菜といった具材、どこか懐かしい風味の細麺。

この店は一体どこから来て、どこへ行くのか。人が人類という種に対して抱くのと同じ疑問を頭の中でいじりまわしながら、男はマスターをチラリと盗み見た。

マスターは客に酒と料理の豊富な知識を披露していた。

男はついでに、従者のNを見た。彼はピンクのポロシャツを着ていた。いつもこの店の絶品まかないを独り占めしているのは彼に他ならないのであった。


男は持ち帰りで、店では漢カレーと呼ばれる激辛カレーを注文した。朝食にするためだった。この漢カレーは酒のアテにちびちび食すのも良いが、朝っぱらからエッジのきいた食事として摂ることもできる。特に二日酔いの時は優れた酔い醒ましとして効く。

朝、目が覚めて、男はわき目もふらずに漢カレーに食らいついた。温かいのもうまいが、冷えていてもうまい。男は実に刺激的な朝を過ごした。

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